前回の検証では、スーパーマーケットにおける「天井裏の断熱仕様」について深掘りしましたが、
https://www.be-project.jp/labo002/
結露対策・第2弾となる今回はさらに踏み込みます!
今回のテーマは、「天井裏の湿度・温度管理を含めた空調換気方法(デシカント空調方式)」です。
単に冷やすだけでなく、「湿気をどうコントロールするか」という視点で対策を考えてみましょう。
■ デシカント空調ってなに?
聞き慣れない方もいるかもしれませんが、デシカント(Desiccant=吸湿材)を使って、
空気中の水分を化学的・物理的に吸着して除湿する空調方式のこと。
温度を下げることで無理やり除湿する一般的なエアコンとは違い、「湿気そのもの」を狙い撃ちできるのが最大の特徴です。
■ 今までの対策、実は「天井裏」に届いていなかった?
現在、多くの店舗では店内の湿度を管理するために、売場(店内)に吹き出し口を設置しています。
しかし、ここに落とし穴が……。
夏場、売場と天井裏の温度・湿度差は想像以上に大きいのです。
売場だけをいくら快適にしても、天井裏の湿った空気が放置されていれば、結露対策としての効果は限定的。
つまり、ターゲットを「売場」から「天井裏」まで広げる必要があります。
■ シミュレーションで見えた「天井裏管理」の重要性
当研究所で、天井裏の温湿度管理がどれほど結露に影響するかをシミュレーションしてみたところ、明確な結果が出ました。
「夏場の結露対策には、天井裏の温湿度管理が不可欠である!」
売場の涼しい空気をあえて天井裏に流入させ、天井裏の環境を売場に近づける工夫が必要です。
ここでポイントとなるのが「換気量」と「気圧」のバランス。
- 売場を「正圧」(空気を押し出す力)
- 天井裏を「負圧」(空気を吸い込む力)
このバランスをどう設計するかが、今後の大きな課題です。
■ 現場に即した設備検討:換気と配置のリアル
理論上の計算だけでなく、実際の店舗レイアウトに落とし込むと、さらに考慮すべき点が見えてきます。
- 1換気システムの配置
計算上の数字が良くても、実際の気流が淀んでしまえば意味がありません。特に厨房から漏れ出す湿気と換気量のバランスは、天井裏の湿度に直結します。 - 2部門ごとの特性
水産・畜産部門は比較的湿度に耐性がありますが、惣菜・ベーカリー部門は要注意!蒸気が発生しやすいため、より重点的な湿度対策が求められます。 - 3建物全体の設計
防火区画の位置、厨房レイアウト、冷蔵ケースの配置。これらすべてが「空気の流れ」を邪魔する壁になり得ます。
■ まとめ
「見えない場所(天井裏)を、見える場所(売場)と同じ環境に近づける」
これが、これからの店舗設計における結露対策のスタンダードになるかもしれません。
そのためには、法定換気量を満たすだけでなく、いかに効率よく空気を循環させるか
現場のオペレーションに即した空調計画が重要であることを再確認しました!



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