建物は錯覚を利用して広く大きく

視覚における錯覚を「錯視」と言います。
これは目の錯覚を利用したもので
錯視の面白いところは「錯覚だ」と分かっていても
正しい形に修正できないところがあります。
何度見ても錯覚が優先されてしまうのです。

ミュラー・リヤー錯覚は
a と b の直線部分は同じ長さなのに、a の方が長く感じます。

ボールドウィン錯覚では
c と d の直線部分は同じ長さなのに、c の方が長く感じます。
これは四角が作り出す奥行きを感じることによる錯視だと考えられています。

フィック錯視では
e と f の 長方形は全く同じ大きさなのですが
下にある f の方が e よりも長く大きく感じる錯視です。

エビングハウス錯視では
左右の図形の中央にある円は 同じ大きさなのに、右側の方が大きく見えます。
これは周囲にある円との対比効果によって違って見えています。

ゴルフコースは錯視の宝庫

ゴルフコースづくりにも錯視が用いられていて
例えば、「グリーンが近く見える」という場合は
・グリーンすぐ手前に巨大バンカーがある・グリーン奥に林などがなく、抜けている
・グリーンから数10ヤード離れた手前に池がある
こういった目の錯覚を利用して、距離の違和感を作り出しています。


建築物も錯視を利用した設計がうまくできれば
奥行きをつくり、建物を大きく見せたり
天井を高く感じさせたりして面白いですね。
 

関連記事

  1. 【省エネ計算】 1次消費エネルギー消費量(BEI値) 驚きの電気代差額…

  2. 商業施設コンサルが語る!小売目線の設計とは

  3. 『ガスエネルギー新聞』に掲載いただきました

  4. 用途地域がダメだからと言って諦めない設計士の話 #3

  5. 商業施設設計で⼤事なこと

  6. その建物は誰のもの?

  7. テナント誘致の最適解

  8. 杓子定規の解釈でいいのか!ショッピングモール煙伝播ルートのあるべき形_…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP